研究活動 / 平成25-26年科研費研究スタート支援

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企業活動における国際人権基準の実施に関する研究

本研究は、「国際人権基準の遵守として企業活動に何が求められるのか」に注目し、国際人権基準の企業レベルでの実施、特に日本企業による実施の明確化を目指します。

研究概要:【PDF/157KB】




◆平成26年度活動・成果報告

①国際人権基準、指導原則およびCSRに関する最新動向の研究
国連、地域、国のそれぞれのレベルから文献・資料研究を進めた。国連人権理事会主催の第3回フォーラムには予算の関係で残念ながら参加することができなかったため、フォーラムでの成果文書をはじめとする国際文書や文献・資料研究を通じて分析を行いました。加えて、人権条約実施機関やEUなどの地域機関の動向についても研究を行いました。これらの研究成果を学会で報告するとともに、論文として発表しました。



②権利保有者の視点から企業に求められる取組みに関する研究
これまでの「人権CSR」の研究をもとに、次にあげる権利保有者の視点から取り組みを深堀しています。
〇紛争とビジネスの視点から
国際協力NGOであるテラ・ルネッサンスの協力のもと、『人権CSRガイドライン』のパフォーマンス編の新たな項目として「紛争とビジネス」【PDF/197KB】を作成しました。

image 〇子どもの視点から
国際協力NGOであるACEの協力のもと、『人権CSRガイドライン』のパフォーマンス編の「児童労働・強制労働の禁止」【PDF/202KB】を更新しました。
*2014年11月7日(金)に大阪経済法科大学にて「人権CSRセミナー:児童労働×紛争鉱物」を開催しました。実施報告書はこちら【PDF/283KB】

image 〇障がい者の視点から
専門家である金政玉氏(明石市福祉部福祉総務課障害者施策担当課長兼政策部政策室課長)から助言をいただきながら、『人権CSRガイドライン』のパフォーマンス編の「障がい者の人権」【PDF/377KB】を更新しました。
*2014年12月17日(水)に大阪経済法科大学にて「人権CSRセミナー:職場、市場、地域社会での障がい者への『合理的配慮』を考える」を開催しました。実施報告書はこちら【PDF/247KB】



③企業の国外事業展開先における国際人権基準の実現に関する研究

〇韓国における共同研究
日韓共通の課題である①社内マネジメントとシステム、②サプライチェーン(原材料や部品の調達先)の管理、③女性および障がい者差別、④非正規雇用について、国際人権基準に合致した企業活動の具体化を検討します。Kyung Soo Jung教授(淑明女子大学校)から引き続き研究協力を得ています。日本側の研究体制としては研究連携を共に進めてきた中村清二氏(部落解放・人権研究所)に協力を依頼しています。

image 2014年度日韓人権CSRガイドライン共同研究会 2015年3月19日(木)韓国・ソウル(淑明女子大学校) アジェンダ:Korea-Japan Joint Research Project on Guidelines on Corporate Responsibility for Human Rights The Fifth Meeting【PDF/304KB】

〇インドにおける共同研究に向けた現地調査
2014年度において、ダリット人権全国キャンペーン(NCDHR)および小森恵(反差別国際運動)を研究協力者とし、職場におけるダリット差別に関する日本企業向けのガイドライン作成の共同研究を行いました。

2015年2月11日(木)から13日(金)インド・デリー
共同研究の成果として、『インドでビジネスをするための人権ガイド』【PDF/2390KB】を2015年11月に発行しました。
*セミナー「人権CSRセミナー:インドでビジネスをするための人権ガイド」(2015年11月)
*『インドでビジネスをするための人権ガイド』(2015年11月)
(作成:菅原絵美・小森恵/協力:インド全国ダリット人権キャンペーン(NCDHR)発行:反差別国際運動(IMADR))

2015年2月15日(月)~2月18日(木)インド・ムンバイ
NMIMS経営大学院のMeena Galliara教授に協力いただき、2013年の会社法改正後のインドにおけるCSR政策について、ビジネスと人権に関する聞き取りを行いました。またタタ社会科学研究所に訪問し、インドにおけるCSRおよび持続可能性に関する動向について聞き取りを行いました。

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④研究協力者らとの総括研究会
権利保有者の視点および企業の国外事業展開先である韓国を含む東アジアの視点に関して、企業活動における国際人権基準の実施を議論する年次研究会を開催します。研究協力者のみなさんに2014年度の研究成果を報告していただき、2年間の研究成果をまとめることを目的としています。


2014年度総括研究会
2015年2月21-22日大阪経済法科大学東京麻布台セミナーハウス小研究室
アジェンダ:2014年度総括研究会―企業活動における国際人権基準の実施:東アジアおよび当事者の視点から―【PDF/89KB】

第1日目
第1報告 金子匡良 「法における信頼の位置づけ」【PDF/443KB】
第2報告 土屋仁美 「EUにおける自主規制、共同規制の推進」【PDF/307KB】
第3報告 金 丹  「中国におけるCSR状況:2014年の動向」【PDF/344KB】

第2日目
第4報告 山口明子 「ドイツ政府によるCSR政策の実践:人権と経済の持続可能性のために」【PDF/355KB】
第5報告 大西祥世 「国連女性のエンパワメント原則(WEPs)の展開」【PDF/364KB】
第6報告 松田大介 「外資系企業でのCSRの取り組み」
第7報告 菅原絵美 「企業活動における国際人権基準の実施:日本、韓国、インド」【PDF/242KB】






◆平成25年度活動・成果報告

①国際人権基準、指導原則およびCSRに関する最新動向の研究

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第2回国連人権理事会「ビジネスと人権」フォーラム参加
2013年12月2-4日スイス・ジュネーブ(国連欧州本部)
「ビジネスと人権」フォーラムは、2011年6月の国連ビジネスと人権に関する指導原則を承認する国連人権理事会決議(A/HRC/RES/17/4)のなかで創設され、加盟国、国連機関、国内人権機関、企業、先住民族、市民社会が参加できる2日間の年次会合として制度化されました。今回で2回目となります。本会議に加えて、本会議の分科会20セッション、サイドイベント25セッションが行われました。
活動報告:第2回国連人権理事会「ビジネスと人権」フォーラム参加報告書 【PDF/199KB】



②権利保有者の視点から企業に求められる取組みに関する研究
これまでの「人権CSR」の研究をもとに、次にあげる権利保有者の視点から取り組みを深堀しています。

〇性的マイノリティの視点から
NPO虹色ダイバーシティの協力のもと、『人権CSRガイドライン』 のパフォーマンス編の新たな項目として「性的マイノリティ(LGBT)の人権」【PDF/174KB】を作成しました。
*セミナー「ダイバーシティ最前線:LGBTが働きやすい職場をつくるために」(2013年7月)
*『事業主・人事・法務のための職場におけるLGBT入門』(2014年3月)
(発行:NPO虹色ダイバーシティ/協力:ILGA、菅原絵美、山下梓)

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③企業の国外事業展開先における国際人権基準の実現に関する研究

〇韓国との共同研究
研究連携の一環として、日韓共通の課題である①社内マネジメントとシステム、②サプライチェーン(原材料や部品の調達先)の管理、③女性および障がい者差別、④非正規雇用について、国際人権基準に合致した企業活動の具体化を検討します。Kyung Soo Jung教授(淑明女子大学校)から引き続き研究協力を得ています。日本側の研究体制としては研究連携を共に進めてきた中村清二氏(部落解放・人権研究所)に協力を依頼しています。

2013年度日韓人権CSRガイドライン共同研究会
2014年2月27日(木)韓国・ソウル(淑明女子大学校)
アジェンダ:Korea-Japan Joint Research Project on Guidelines on Corporate Responsibility for Human Rights The Fourth Meeting【PDF/217KB】
活動報告: 【PDF/185KB】

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④研究協力者らとの総括研究会
権利保有者の視点および企業の国外事業展開先である韓国を含む東アジアの視点に関して、企業活動における国際人権基準の実施を議論する年次研究会を開催します。研究協力者として、これまで連携を進めてきた法政大学の江橋崇氏(法政大学名誉教授)の研究チームメンバーに2013年度の研究成果を報告していただき、初年度の研究成果としてまとめることを目的としています。


2013年度総括研究会
2014年2月15-16日神奈川県横浜市(神奈川大学)
アジェンダ: 2013年度総括研究会 ―企業活動における国際人権基準の実施:東アジアおよび当事者の視点から― 【PDF/122KB】

第1日目
第1報告 大西祥世「企業による人権尊重の展開―WEPsに関する日本企業の取組を中心に―」
第2報告 金子匡良「2013年度のまとめと2014年度の研究課題」
第3報告 山口明子
「多国籍企業による人権尊重の実現に向けて―立憲主義に基づく国際協調の可能性― 」
第4報告 金 丹
「中国におけるCSRの最新動向―中国社会科学院CSRブルーブック2013及びSYNTAO2013報告書を基に」

第2日目
第5報告 菅原絵美 「2013年度グローバル・コンパクト研究センター活動報告」
第6報告 菅原絵美 「国連GCと人権CSR」
第6報告 松田大介 「外資系日本法人のCSRへの取り組み」
第7報告 山田衣音子 「2013年度の研究まとめと2014年度の課題」
第8報告 江橋 崇 「黎明期の国際人権法」